http://president.jp/articles/-/17657
最近注目度が増しているクリーンディーゼル乗用車。国産メーカーではこの2、3年、マツダが気を吐いている。
輸入車ではドイツブランドの存在感の高い状態が続いている。しかしここに競争力のあるモデルを国内市場に投入して攻勢をかけているブランドがある。ボルボだ。
昨年2015年7月23日、ボルボはその主力5モデル同時にクリーンディーゼルエンジン仕様車を投入した。新エンジンを主力モデルに一気に搭載して
発売するという手法は、あまり例がなく、それだけにボルボの新しいディーゼルエンジンにかける意気込みが伝わってくる。
7月の発売から15年の年末までのほぼ5カ月間で販売した台数は3489。これとほぼ同じ時期での販売総数が6188台であるから、
半分以上をクリーンディーゼル仕様車が占めたことになる。この時期の15年9月にフォルクスワーゲンのディーゼルエンジン
排気ガス規制における不正が明らかになるという逆風があったことを考えると、決して小さくはない数字だ。
従来、ボルボの自動車の安全技術にこだわる姿勢には定評があり、現在も、「2020年までに新しいボルボ車において交通事故による
死亡・重傷者をゼロにする」(ビジョン2020)を同社の目標として掲げている。この目標に加え、今度は先端技術にもこだわる姿勢を見せ、
自動車の心臓部であるエンジンそのものを自社開発し、ガソリンとディーゼル両方のエンジンをつくりあげた。
これには少なからず驚かされた。というのも、同社の事業規模はそれほど大きいものではなく、2015年の同社世界総販売台数は、
1927年に自動車の製造を開始して以来初めて50万台を越えた(正確には50万3127台)程度だ。大手の自動車企業と違って、
こうした小規模な生産にとどまっているメーカーにとっては、多額の開発資金をつぎ込んでガソリンとディーゼル両方のエンジンを自社開発するのは、決して負担の軽い話ではない。
ところが、そんなボルボが、今回のディーゼルエンジンをガソリンエンジンと同時に自社開発した、という。
興味深いことに、このボルボと、冒頭にあげたマツダの両社はともに、かつて2000年前後の数年間、同じフォードグループの一員だった。
ボルボがフォードグループに加わったのは1999年。当時フォード傘下には8種のブランドがあり、同グループの世界戦略にしたがって
各社がその個性・商品特性を活かすための自社ブランドの定義をすり合わせたうえで、乗用車開発の現場で協業し規模の経済を最大限に
活かそうとしていた。ちなみに、当時ブランドの定義によるボルボ個性は、豊かな感性(Expressive)、こだわり(Dedicated)、安全(safe)だった。
同社はマツダとCセグメントの乗用車開発で協業する。そしてボルボはその協業の成果として4ドアセダンのS40とワゴンのV50をつくりあげた(マツダはアクセラ、海外名マツダ3)。
ボルボに転機が訪れたのは2008年9月。リーマンショックによってボルボだけでなく、産業界全体の景気が失速して先行き不透明に陥ったときだ
。他の自動車会社と同様、ボルボの業績も低迷しはじめる。2007年には45万8323台を数えた世界総販売台数が2008年には37万4297台と20%近くも落ち込み、
翌2009年になるとさらに減少して33万4808台という低い数字を記録した。売上高についても同じ傾向を示している
。具体的には、2007年の1216億2000万スエーデンクローナ(SEK)が2008年には約22パーセント減の951億2000万SEK、
2009年も957億SEKと低迷。ボルボはもちろん、ジャガー、ランドローバー、アストンマーチン、
マツダといったフォードグループ傘下の各社はそれぞれに独自の生き残りを図る道を探りはじめる。(現在の為替レートでは1SEK=14円前後)
ボルボは生き残りをかけ、その戦略の中核に、エンジンの独自開発を据える。それまでは、エンジンや車台などを
フォード・グループの企業共通で使用する方針をとっていたため、気がついてみると、年産わずかに40万台前後という小さな規模にもかかわらず、
ボルボ車が搭載しているディーゼルエンジンは3種類、ガソリンエンジンに至っては5種類もあった。
エンジンの気筒数も直列4、同5、V型6など様々だった。これでは効率の悪い多品種少量生産そのものであり、
決して短期間で大幅な業績改善回復ができるとは期待できない。そこでボルボは、2009年初頭、フォードからの自主独立路線の確立をめざして、
2: 海江田三郎 ★ 投稿日:2016/03/27(日) 11:15:23.84 ID:CAP
新たな経営基盤整備に着手するのを機に(2010年8月にジーリーホールディンググループ傘下企業となる)、新しいエンジンの開発で独創的な方針を打ち出す。
それが、「新エンジンは4気筒に特化する。排気量は2L以下に限る」という思い切った方針だった。
排気量は2L以下、変わっても気筒数が4のエンジン以外つくらない。そして、こうしたエンジンだけでは十分な性能が得られない場合には、
大きな進展が期待できる電動駆動システムを追加できる構造にしておき将来必要となるかもしれないモデルバリエーションの増加に備える。
こうすれば、モデルごとに異なる構造のエンジンを用意する必要がなくなり、効率の向上が図れる。年間40万台前後の規模では、
同400万台以上規模の大メーカー並みのバリエーションを展開するのは得策ではない。それでも、ボルボの個性を打ち出せる製品の展開は図れる。
ただし、当時のボルボにとって4気筒エンジンの開発をガソリン仕様だけに絞るのは難しい相談だった。というのも、2006年すでに、
欧州におけるディーゼルエンジンを積んだ乗用車の新車登録台数が50パーセントを超えていたからだ。
ガソリン仕様よりもディーゼル仕様の乗用車のほうが多いのだ。したがって、独立独歩をめざすと決断した以上、欧州市場で生き残るためには
、どうしてもディーゼルエンジンの開発は避けて通れない課題だった。
とはいえ、100パーセント新規のエンジンを2種類同時に開発するには、巨額の資金を投入しなければならない。
そこで、ボルボが生み出した発想が「ディーゼルとガソリン、2種類のエンジンを同時並行的に開発するため、基本構造を共通化する」というものだった。
2009年初頭に開発を始めて以来4年余りの年月のあと、この発想から生まれた新型ディーゼルエンジンが完成、2014年モデルの60/70/80シリーズ
に初めて搭載された。生産はボルボの主力エンジン工場シュブデ(首都ストックホルムから西南西約260キロ)。フォードグループからは独立した、
文字通り自社開発自社生産そして自社モデル専用のディーゼルエンジンとなる。
ガソリンエンジンとの可能な限りの共通化という発想により、このディーゼルエンジンが共通で使用している部品は全体の25%に達しているという。
加えて、完全な共通使用にはなっていないものの、ガソリンエンジンと類似している部品の割合は50%。つまり、全体の4分の3の部品が共通あるい
は類似になっている、ということは、製造段階でも共通の生産設備が活用できる余地が広がり、生産効率の向上とコストダウンを同時に図れることを意味している。
このおかげで、ディーゼルエンジン仕様モデルはガソリンエンジン仕様に比較してわずかに25万円の価格上昇(日本仕様車)にとどまり、国内市場での競争力向上にも寄与している。
マツダのディーゼルエンジンもそうだが、従来のディーゼルエンジンの圧縮比は高出力を得る目的から16から18前後という高い範囲に設定されていた。
そのためシリンダーブロックの素材はガソリンエンジンに使用されているアルミではなく、高い圧力に負けない鋳鉄を使うことが一般的だった。
ボルボもマツダもともに、それぞれ独自の開発手法で可能な限り圧縮比の低減を図ることによって、鋳鉄からアルミへの転換に成功した。
このおかげで、ボルボのディーゼルエンジンのシリンダーブロックは、ガソリンエンジンのそれと基本構造が同じになっている。
2000年前後の数年間、同じフォードグループに属していた両社が、世界的な経済後退を招いたリーマンショックを契機に、それぞれグループからの独立を模索し、
企業の生き残りをかけた独自製品の開発に邁進するプロセスで、新しいエンジンの開発をその中核に据えたことは、実に興味深い。
しかも両社ともビジネスの規模は決して大きくはない。当時のマツダは年間販売台数120万台から130万台、ボルボに至っては40万台前後。
独自のエンジン開発にあたって、マツダの場合には当初ガソリンエンジンの開発から始めている。並行的に開発していたとはいえ、
ディーゼルエンジンの製品化時期は、ガソリンエンジンよりもあとに置いていた(実際には、ディーゼルエンジンの開発が順調に進み、
両者同時に製品化し、2012年2月に発売している)。ところが、ボルボは開発の効率の最大化を狙って、ガソリンエンジンとディーゼルエンジン
の同時開発という大胆な手を打つ。生産の規模がマツダの半分にも満たないということがその理由のひとつだったのだろうが、見方を変えると、
それだけの小さな規模だったからこそ、大胆な開発手法をとるという発想が生まれたのかもしれない。人間万事塞翁が馬、ということか。
(続きはサイトで)
6: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:23:02.26 ID:YjcYOjQy.ne
ボルボって中華企業になったんでしょ
8: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:27:48.74 ID:r0sQ2fns.ne
>>6
フォードから中国企業が買収したな。
ただ日本のボルボはまだEU製らしいが。
26: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 16:08:03.93 ID:bK0OTkBH.ne
>>8 石綿スレ-トじゃなくてレンガ作りのスエ-デン工場みたら
物造りの基礎が違うなって思うよ
11: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:38:49.72 ID:n/8Q1mXe.ne
ディーゼルの排ガス対策を、後処理で考えるか、燃焼で考えるかっていう選択肢。
どちらを選んだかってことだね。後処理は簡単で、燃焼でやるのは難しい。
12: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:40:12.21 ID:aKOKILaY.ne
ボルボの話は聞き流すのが一番だよ。
「ボルボに乗る=ダサい」
って風潮にしないと日本では事故が増える原因になる。
13: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:43:09.82 ID:U23W0Vi4.ne
問題はマヅダの成功じゃなくて、他の国産メーカーだろ
規定値オーバーで詐欺売りしているのが発覚したのだから
ボロクソバーゲンと変わらない国産詐欺メーカー
17: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 11:58:11.39 ID:KnPVy57c.ne
デンソーがいたからだろ...
20: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 12:33:09.35 ID:sTlvNVHq.ne
>>17
マツダはクリアしてたけど、トヨタは基準超えてるじゃん
18: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 12:05:03.92 ID:C/tSjVTl.ne
スウェーデンハウスに住み、ボルボに乗っている、スウェーデンの自治体と姉妹都市提携している
自治体の職員なら知ってる
19: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 12:22:57.98 ID:5R6YEDi5.ne
新車のうちはクリーンでも
古くなったらススと振動で堪えられなくなるから
28: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 17:26:53.03 ID:fLn3eEbQ.ne
>>19
話だけ聞くとディーゼルいいなと思う。
音も思ってたより静かだし。
でも年数たつと音も振動も大きくなりそうで。
まだガソリン車ほどの信頼度がないかなとは思う。
32: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 17:55:47.81 ID:UL4smcDK.ne
>>28
年数経つと噴射ポンプやバキュームポンプの音が大きくなるね。
特にバキュームポンプがうるさくなるのが辛抱できない。
22: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 14:59:14.57 ID:2qt7Ts3t.ne
空気清浄機じゃあるまいし、「クリーン」は言い過ぎだよ。
ガソリンのポート噴射や直噴エンジンと同じで何らかの排ガスを出しているんだから。
PM2.5?co2?の排出規制が無いガソリン直噴エンジンがこれから増えるしね。
23: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 15:13:10.49 ID:jl9gFWkk.ne
直噴ガソリンのPM系をがっつり規制始めたら、
欧州メーカーはポート噴射のマルチエアやってるフィアット以外死亡するぞw
24: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 15:13:11.93 ID:NKV8eWRw.ne
マツダは2回目の車検過ぎた当たりから新車の営業が活発になって来る
30: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 17:32:34.88 ID:8k0syVou.ne
数年経ったらって、街中にはその数年経ったCX-5 XDがいくらでも
走ってるじゃん。
37: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 19:20:59.32 ID:Lg+FoTzn.ne
「乗用車用ディーゼルエンジンの圧縮比が高いのは冷間始動のため」が
一般人にも常識になったのは最近のこと。
熱効率を高めるために20以上の圧縮比にしていると思われていた。
38: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 21:13:20.53 ID:GrkpOUt1.ne
アテンザディーゼル二万キロ乗ってるけど、特に煩くなったとは感じないな。
ニューモデルなら、更に静かになってるようだ。
パンチのある加速と特に意識せずともメーター燃費は常にリッター15。
300万前後で買える車で、現時点でこれより優れたエンジン存在しないよね
40: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 21:42:58.28 ID:Wy46wg4g.ne
アクセラとボルボって
同じプラットフォームつかってたな
42: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/27(日) 22:01:49.19 ID:MOE+qtAc.ne
>>40
V40やフォーカスはいまだに初代アクセラ共通プラットフォームよ
44: 名刺は切らしておりまして 投稿日:2016/03/28(月) 00:18:22.13 ID:jHv3Jdhy.ne
むしろ、棺桶型のワゴンの頃より見かけない気がする。
最近多くなったと感じるのはレンジローバー。
引用元:http://www.logsoku.com/r/2ch.sc/bizplus/1459044916/
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コメント
コメント一覧 (26)
それでもボルボのディーゼルか実走行で基準の20倍近い汚染物質出してることを無視して誉めるのは間違い
マツダも、日本の調査ではたまたま規準下回っただけで、欧州での調査では普通に10倍と6倍の数値出てしまってる
(俺もこれは日本企業を貶める為と思いたかったが、MBやAudiも同調査でアウトだし、米調査と数値も近いのである程度の信頼性を認めるしかない)
クリーンディーゼルなんてものは、現実にまだ存在できてない
そこから目を逸らし、マンセーするだけでは、エゴでしかないよ……
こいつ何にもわかってないね
アホを露見させてる
結局燃料の質に依存する部分あるから
欧州の硫黄分が多い軽油が駄目なだけだろ
四六時中「マツダと同じく」って書いてるがシステムが近いだけで
ボルボのディーゼルがほんとにクリーンかどうかの論拠が全く示されてない
不正ソフトを使わず屋内の検査基準をクリアしてる他のメーカーを一緒にするな
そして屋内の基準は飽くまで目安であって、実走行時はまた違うって事を知れ
そりゃその時期に下取り出してもらった方が
中古価値的に扱いやすいから
1GDはトヨタグローバルスタンダードエンジンとしてどんな劣悪な条件下でも作動する事を前提に作られてる、だから良質な軽油が使えることが大前提で緻密に作られてるSKY-Dに比べ、汚染物質の量が実走行で基準値を上回るのはしゃーない(テストでは不正無しでクリア済み)
しかしマツダはよくぞここまで素晴らしいエンジンを造ったもんだ...
んー世界で売って儲ける為には、実走行でどれだけ基準値以上の毒ガス出しても仕方ないとか、意味のわからない言い訳をドヤ顔で申されてもね…
高圧縮なディーゼルにアルミ使うのは素人の発想とばかりに
欧州贔屓な連中や車ジャーナリストが扱き下ろしてたのに
欧州車メーカーがアルミブロックなディーゼル車出し始めたら
称賛されるという何時ものパターン…
原油からガソリン作ればついでに軽油が生成されるし(日本は余った軽油を輸出している)、輸送用の大トルクが必要な車両はガソリンエンジンでは代替できない。
大気汚染が主題であれば乗用車より基準が甘い&台数の多い大型車両も問題にすべき。
まだバレてないだけ今頃根回しして逃げ切る方策で忙しいんとちゃう?
北欧言うても同じ穴の狢やね
やっぱ両社ともリーマン期のあのフォードの落ちぶれを見て危機感を抱いたんだな
環境なんかポイやで!生活の生命線ディーゼル車の方が大事やで!って国も沢山あるからしゃーない。
そんな黒煙ディーゼル垂れ流し上等!かかってこいや!っていう国にも
日本や欧州のテストクリアしてるディーゼルを売ってると考えれば良心的やろ。
ディーゼルの起原はマツダニダ!最も優れてるディーゼルもマツダニダ!だから三菱はゴミニダ!
スカイアクティブ-2.2Dはちょー楽。
但し公道じゃものすごくもてあまし気味
ポート噴射ガソリンが最高。
排ガスとかどうでもいいわ
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