1: 2017/10/05(木) 02:10:20.23 ID:CAP_USER

中国の自動車メーカーの躍進が著しい。これまで中国の自動車産業といえば、GM(ゼネラルモーターズ)やトヨタ、VW(フォルクスワーゲン)など外資系の自動車メーカーと合弁を組み、生産技術を学ぶだけの立場だった。

ところが、ここ数年の間に中国メーカーは飛躍的に技術を向上させており、日米欧との差は確実に縮まっている。中国の自動車市場は世界でも突出した規模に成長しており、中国市場におけるシェアは今後の自動車メーカーの業績を左右する。

これまでは、もっぱら外資系メーカー同士の争いだったが、今後は、中国の国内メーカーという新しいライバルが台頭してくる。優秀な技術がウリだった日本メーカーにとっては、頭の痛い問題を抱えることになるだろう。

中国の、中国による、中国のための車

今年の4月に上海で開催された上海モーターショーでは、中国メーカーによる新製品の発表が相次いだ。深セン市に本拠を置き、電池と自動車を生産するBYD(比亜迪)は、SUVのコンセプトカーである「ダイナスティ(王朝)」を発表した。

コンセプトカーとは自動車メーカーが展示目的で生産した車のことで、実際には販売されないが、今後の製品の方向性が示されることから、多くの関係者が注目している。

ダイナスティのデザインを担当したのは、アウディの元チーフデザイナーで、発表された製品は移籍後としては初めてのコンセプトカーになるという。わざわざ欧州から大物のデザイナーを招聘するなど、BYDの本気度をうかがわせる発表内容だが、BYDは今後の製品展開にどれほどの自信を持っているのだろうか。

no title

BYDの王朝シリーズ「唐」

これまで中国の国産自動車といえば、外国メーカーを模倣したものが多く、グローバル市場で高い評価を得ることはなかった。これは中国の国内市場においても同じことであり、中国人自身も、国内メーカーの製品よりも、GMやトヨタ、VWといった外資系メーカーの製品を好んで買っていた。

日本メーカーの技術力が低かった時代には、日本国内でも圧倒的に外車の評価が高かったが、どの国でも、そしていつの時代においても、消費者は正直である。では、BYDはこのクルマを誰に売り込もうとしているのだろうか。

それは中国国内の消費者である。実際、中国製の自動車を購入する中国人がこのところ急増しているのだ。ダイナスティ(王朝)という名称は明らかに中国人を意識したもので、同社はすでに過去の中国王朝の名称を冠した「王朝シリーズ」というブランドを展開している。

王朝シリーズの車種には、宋、唐、秦、元など歴史でおなじみの名前が並ぶ(有名な王朝であるにもかかわらず明の名前がないのは、やはり暗黒時代というイメージが強いからだろうか?)。

王朝シリーズのクルマには、「宋」や「唐」など、デカデカと漢字をあしらったエンブレムが付いており、日本人や欧米人には少々抵抗を感じるデザインとなっているが、こうした部分からも、中国の消費者を強く意識していることがよく分かる。

中国「独立系メーカー」が台頭

BYDのような国産メーカーが中国市場で躍進していることには、実は大きな意味がある。その理由については、中国の自動車産業の構造を理解することでよりはっきりしてくる。

中国の自動車産業は完全な国策となっており、これまでは中央政府が所有する国営自動車メーカーが、外国メーカーと合弁を組むという形で発展してきた。外国メーカーが中国で自動車を生産するためには、中国国内のメーカーと合弁企業を設立することが義務づけられており、外国からの出資比率は50%以下にするという決まりがある。

つまり、GMやトヨタといった外資系メーカーは、自由に中国市場ではビジネスができない仕組みとなっており、外資系メーカーは中国の国営企業と合弁を設立することで中国市場を開拓してきた。

GMやVWは上海汽車集団や第一汽車集団と合弁会社を作っているほか、トヨタは第一汽車と、日産は東風汽車とそれぞれ合弁企業を設立している。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53082

>>2以降に続く)


2: 2017/10/05(木) 02:10:38.34 ID:CAP_USER

>>1の続き)

中国側の狙いは当然のことながら、外資系企業との合弁を通じて各社のノウハウを習得し、国産自動車の技術力を高めることにある。

当初は、技術移転に苦労し、中国側はなかなか技術を蓄積できなかったが、それでも徐々に技術移転は進み、最近では国営企業単独でも品質の高い自動車を生産できるようになってきた。しかしながら、こうした外資系メーカーが主に合弁を組んでいるのは、あくまで豊富な資金と人材を持つ国営企業が中心である。

しかし、中国国内には政府からの支援を得られない独立系の民間企業も数多く存在している。独立系の企業は、自力で技術を磨くよりほかなく、国営企業と比較した場合、圧倒的に不利な立場に置かれている。

独立系メーカーのひとつが先ほど紹介したBYDなのだが、こうした企業が高度な技術力を身に付け始めたことの意味は大きい。

品質の高い自動車を大量生産するためには、完成車メーカーの生産技術だけでは不十分であり、部品メーカーや素材メーカーなど裾野の広い産業基盤が必要となる。独立系メーカーでも品質の高い製品を作れるようになったということは、中国の産業全体が質的転換を果たしたということにほかならない。

ちなみに中国政府は先ほどの資本規制について2025年までに見直す方針を打ち出している。つまり、技術移転は終了しつつあるので、もはや資本規制は必要ないということだ。

中国市場でのシェアが「カギ」

自動車に限らず、かつての日本製品は「安かろう悪かろう」と言われ、粗悪品の代名詞だった。しかし、日本企業はたちまち技術をキャッチアップし、電機業界を中心に欧米メーカーの多くが日本企業の躍進によって廃業に追い込まれた。

どんなに優れた技術でも、いつかはキャッチアップされるというのが歴史の法則である。ここ数年以内に、中国の国内メーカーが、トヨタやGMの強力なライバルになることはほぼ間違いないだろう。

そうだとすると、中国市場でのシェアが低い日本の自動車メーカーは非常に苦しい立場に追い込まれることになる。その理由は、中国市場でのシェアこそが、今後の自動車メーカーの将来を左右するからである。

自動車産業は徐々にコモディティ化が進んでおり、高い付加価値が得にくくなっている。その結果、グローバル市場では徐々に4大メーカーへの寡占化が進んでいるのが現実だ。

2016年の世界新車販売台数は、1位がVWで1031万台、2位がトヨタで1017万台、3位はGMで1000万台、4位は仏ルノー・日産連合で996万台だった。5位以下には、韓国現代、米フォード、ホンダ、FCAなどが続くが、5位以下のメーカーの販売台数は上位4社に比べてかなりの開きがある。

2017年の上期は、日産の傘下入りした三菱自動車の生産が回復したことから、ルノー・日産連合が首位となった。2017年は上位4社による寡占化がさらに進んでいる可能性が高い。

自動車産業は典型的なグローバル・ビジネスであり、世界市場でのシェアは重要な意味を持つ。かつては、国内シェアにもそれなりの意味があったが、状況は大きく変わった。

2016年における日本国内の自動車販売台数はわずか500万台と、米国の3分の1以下、中国の5分の1以下しかない。

しかも日本市場は年々規模が縮小しており、国内の自動車メーカーにとっても、重要な市場ではなくなりつつある。規模のメリットが重要ということになると、当然のことながら中国市場の影響力が大きくならざるを得ない。

日本人にとって車はもはや高級品だから

中国は市場規模こそ巨大だが、それでも1人あたりのGDPは日本の4分の1以下であり、ボリュームゾーンである中間層の平均的な購買力は先進各国よりも低い。そうなってくると、今後、自動車市場で中心的役割を果たす中国市場におけるクルマの平均販売価格は欧米よりも安くなるだろう。

低価格帯のクルマということになると、欧米メーカーや日本メーカーよりも中国メーカーの方が有利に営業できる。日米欧のメーカーは、高級路線を追求して数を追うことを諦めるのか、低価格な製品を投入し、シェアを重視するのかについての選択を迫られるだろう。

中国市場でのシェアが高いVWやGMは現状を維持する戦略と考えられる。ホンダや日産は、中国市場に対して低価格なEVに活路を見いだそうとしている。

ホンダは中国市場向けのEVに関して、基幹部品であるモーターや蓄電池を中国国内で調達する方針を明らかにしているが、これは価格競争力を重視した結果と考えられる。

(続く)


3: 2017/10/05(木) 02:10:49.02 ID:CAP_USER

(続き)

一方、EVで先行するルノー・日産連合は、中国の東風汽車集団とEV開発の合弁会社設立を発表しており、低価格帯のEVを2019年から中国で生産する予定だ。

クルマは完全なグローバル商品であり、国内経済とは関係なく価格が決まる。経済力の低下が進む日本にとって、もはやクルマは超高級品であり、近い将来、多くの庶民にとって、さらに手が出ない商品となっていることは間違いない。

こうした状況で、クルマの国内販売を維持するためには、多くの家電製品がそうなったように、中国から車を逆輸入するような措置も必要となってくるかもしれない。

加谷珪一 経済評論家
1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。
現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に「新富裕層の研究-日本経済を変えるあらたな仕組み」(祥伝社新書)、「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)、
「教養として身につけたい戦争と経済の本質」(総合法令出版)、「億万長者の情報整理術」(朝日新聞出版)などがある。

(おわり)


6: 2017/10/05(木) 02:16:33.83 ID:5UjQt3R4

メンテナンスとアフターサービスを国産車並みにしないと無理だろうな


8: 2017/10/05(木) 02:18:22.01 ID:ONOskXoy

アフターサービスがいいなら中国車を買うだろうけど
無理だろ。


9: 2017/10/05(木) 02:21:50.94 ID:roRX989x

>>8
これ
壊れない上に壊れてもすぐ修理してくれるから国産車が支持されてるわけでこれを超えなきゃシェアは増えない


11: 2017/10/05(木) 02:26:52.79 ID:SKIyIU7M

>>9
ところが日産の電気自動車は・・・

バッテリ、悲惨なことになっても、そういうものと放置
そんな売り方したら信用失うぞ

どうしちゃったんだ、日産


92: 2017/10/05(木) 04:46:17.21 ID:hHG0Iy+9

>>11
日産はもう日本企業じゃないんだって、
最近つくづく思うわ。


12: 2017/10/05(木) 02:26:54.10 ID:z1V9RvE2

中国での日本車の製造台数が、来年は確実に日本国内より多くなる
そういう意味ではいずれ中国製の日本車が走りそうかもね


13: 2017/10/05(木) 02:29:30.88 ID:2Gp3KifY

>>12
メイドインチャイナではあるが、設計管理は日本企業だからなあ
別になんとも

つか国内の新車販売台数も復調傾向にあるんだよな、景気回復で


73: 2017/10/05(木) 03:55:55.11 ID:lC7+GlPW

>>12
生産台数が増えれば日本で売れるって、過剰生産で国内でダブついてる鉄鋼とか説明してみ?安くなるとダンピング販売は、根本的に違うからね。


16: 2017/10/05(木) 02:39:18.56 ID:QJ4E4UA+

日本以外のアジア系自動車に買ってのることが仮にあったとして、故障したらどうなるの?
不安しかないな。


17: 2017/10/05(木) 02:39:30.78 ID:x/Kocr+1

内燃機関であるうちは中国車おそるるにたらず。
やべーのは電気自動車へのシフトだな。


18: 2017/10/05(木) 02:40:27.45 ID:KJru5vms

タイや東欧で生産した日本メーカー車が日本国内で販売されているんだから中国工場も有り得る
中国メーカー車は日本メーカーと競合するところはヒュンダイと同じになるんだろうが「変わった車種」的なものがニッチなところで少量売れるかも知れないな


19: 2017/10/05(木) 02:40:47.08 ID:y5I0hDZF

電気自動車ってハイブリッド作れるメーカーならどこでも作れるだろ
あとはバッテリーの性能とインフラの拡充の問題


28: 2017/10/05(木) 02:57:12.39 ID:PRvlTvye

もちろん、アフターサービスが日本者並みなのは大前提として
高級車ならドイツ勢以上、コンパクト高効率なら国産軽自動車以上
そうでないと、フォードやヒュンダイみたいになるぞ


34: 2017/10/05(木) 03:00:05.66 ID:Gg+VHHDw

日本国内でメンテナンスできて

中古車でちゃんと値段つくなら買う人いるんじゃねぇ?


56: 2017/10/05(木) 03:23:23.39 ID:4WMWOO1L

国別の車の生産台数は断トツの1位だからなあ
日本のサービスのノウハウ丸ごと買われたら
日本の自動車産業、家電メーカーみたいになっちゃう
危機感ないとあっというまにやられるよ


58: 2017/10/05(木) 03:24:27.63 ID:2Gp3KifY

>>56
そもそも家電も造ってる電機メーカーの、重電部門は好調だしなあ


118: 2017/10/05(木) 06:35:52.07 ID:4dumRLKN

タイから逆輸入のマーチがあのざまじゃ中国産なんて無理だろ


126: 2017/10/05(木) 07:14:49.55 ID:lfl07EVP

>>118
いっそのこと、三菱のタイ産ミラージュぐらいに売れてなければ
まだ目立たないのにね。


121: 2017/10/05(木) 06:43:29.85 ID:4DtBWlZb

記事はともかく、危機感は持ったほうがいいよ、
昔見たアメリカ映画で「アメ車は世界一、俺はアメ車にしか乗らん」
と言ってるジジイを見て、バカじゃねーのこいつwと思ったけど、
今の日本もそうなりつつあるんじゃないかな。


132: 2017/10/05(木) 07:26:13.42 ID:pNpq9Zu5

>>121
車はアメリカで生まれました。日本の発明品じゃありません、我が国のオリジナルです。
しばし遅れをとりましたが、今や巻き返しの時です。


145: 2017/10/05(木) 07:45:07.93 ID:JMDRbnZI

>>132
世界初の自動車は「キュニョーの砲車」と言われ、これはフランス生まれ。
ガソリンエンジンを搭載した自動車は、ドイツのダイムラーが初。
アメリカがやったのは、20世紀に入ってからフォード社が「流れ作業による低コスト大量生産で、それまで製造コストが高く富裕層しか持てなかった自動車を大衆化した」だけ。
「自動車はアメリカのオリジナル」なんて言ってると、笑い者になるだけだぞ。


147: 2017/10/05(木) 07:48:13.07 ID:yQmvo9pF

>>132
車が生まれたのはドイツだが


134: 2017/10/05(木) 07:31:49.57 ID:dkEDju7X

中国の凄さは
とりあえずやっちゃう
ところにある。

会議だけ多くて何も進まない
日本の自動車産業の負けは
目に見えてる。


157: 2017/10/05(木) 08:06:47.17 ID:CAtBvxpR

原付バイクはすでにこの状態。
だれも原産国なんて気にしないよ。


165: 2017/10/05(木) 08:52:25.93 ID:y5I0hDZF

>>157
それでも中国メーカーの原付なんて考えられんわ


161: 2017/10/05(木) 08:24:00.34 ID:cHupZvdL

いつかは出来るかもしれないが、当分無理。
まず、まともに造れるようになるまで何年掛かるかなわからない。
出来たとしても、リコールでまくり、損害賠償しまくりで、
会社として成り立たないだろうと思われ。


131: 2017/10/05(木) 07:22:12.76 ID:INmC7IDe

中国車が躍進するのはEVからだろうけど、産業としての旨みは内燃機関車程ではない。それでもドイツや日本にとって驚異だけどな


引用元:http://lavender.2ch.sc/test/read.cgi/news4plus/1507137020/